作るから伝える木工へ木育講座「はじめの一歩」

2月12日は月曜日は建国記念日の振替で休日だったので、地球のかけら主催で木育講座「はじめの一歩」を開催しました。

大人の方対象でおもに子どもたちの育成に関わっている方を意識した内容で行いました。

最近は木育って言葉はかなり浸透してきましたが、それでもまだまだ木育って木のおもちゃで遊ぶ幼児教育とか、なんとなく環境に良さそうな取り組みかも、なんて思っている方も多いので、もう少し木育の輪郭が明確になるように、木育の概念やまた、木育を取り入れたいけれど何をしたらいいの?なんて思っている方に簡単なアクティビティを紹介する、そんな内容で実施しまいした。

参加者は大人の方12名で、建築士や学校の先生に福祉関係の方、またDIYが好きな方、木工家の方々が参加してくれました。職種はバラバラですが、木や森に関心があり自分の仕事にあるいは活動に木育を取り入れたいという思いのある方々が参加してくれました。

1. 紙芝居プレゼンテーションとは

講座の最初は木育の概念を伝えていくのですが、私はプロジェクターを使わずに紙芝居プレゼンテーションといって、伝えたいことの要点をA4用紙にまとめてホワイトボードにマグネットで貼り付けながら順序良く説明して手法で、略してKP法などと呼ばれていて電気のない屋外でも可能ですし、自分にあっているので画像のようにいつもこのKP法で木育のお話しを進めています(写真は病気前のものです)

2. 木育講座の流れ

講座の流れは

1.木育とは

2.なんで木育?

3.木育をすすめる3つのステップ

4.クイズ木材の種類を探せ

5.年輪のできるわけ

6.木取りと木の強度実験

7.ネイチャーゲーム  『木へのインタビュー』

8.小枝のボールペンづくり

こんな感じで進めていきました、1~3は紙芝居プレゼンテーションで木育の概念やなんで木育が必要なのかをお話ししました。

木育をすすめる3つのステップ

こんなふうに紙芝居風に木育について分かりやすく説明したあとは、9種類の沖縄の木のサンプルを用意して、それと木の名前と特徴などを書いたをワークシートを準備して9種類の木の名前を当てるクイズをやりました。

色や木目また匂いや色などを見ながらどのサンプルがどの木なのか考えてもらいました。ワークシートはゲーム感覚で楽しめるようにビンゴ形式で作成しました。みなさん立っている木は目にしたことがあるようですが、伐られて材となった状態はなかなかお目にかかれないので、興味津々で楽しそうに取り組んでいました。

続いて年輪がについてのお話しです。

それでは、みなさんにクイズです。木はどの部分が成長するのかわかりますか

1.内側から   2.全体的に  3.外側から

答えは3の外側から多きなって行きます。そしてクイズの後に年輪が出来るわけを説明します。そうすると、すぐに外側から成長していくことを理解してくれます。

次は木の強度の実験です。木を縦(木目方向)に切って使うのか、あるいは、横に切って使うのかでは強度に大きな違いが出てきます。その強度の違いを体重計をアレンジした簡易木材強度実験装置↓

写真のようにクランプのハンドルを回すと木材に力が加わり、木材が折れるまで力を加えることで何キロまで耐えられるかが分かるという優れものの実験装置です。

このように実験を通して、木材を上下左右どの方向から使うのかという「木取り」の重要さを説明しました。

そして午前中の最後のワークはネイチャーゲームを行いました。

3. ネイチャーゲームとは

ネイチャーゲームとは、自然に対する知識がなくても自然の中で遊びながら自然の仕組みや不思議さや仕組みを楽しく学ぶプログラムで、子どもから大人まで楽しめます。

今回は知り合いのネイチャーゲームリーダーのお二人にお願いして2つのプログラムを体験してもらいました。

一つ目は「ノーズ」といって、ヒントを出しながら木の名前を当てるゲームですが、わかった人は黙って鼻に手を当てます。

2つ目は「木へのインタビュー」といって、お気に入りの木を見つけてその木と対話するというもので、実際は木は喋ってくれませんがそれをすることで、いつの間にか自分と対話しているという感覚を磨く楽しいゲームです。そこでこのゲームの大切なところは、参加者とシェアする時間です。お互いが木とどんな会話をかわしたのかシェアすることで、この体験や参加者同士の出会いがさらに深みが増してきます。

4. ボールペンづくり

午後は小枝を使ったボールペンづくりを体験してもらいました。

今回使用した材料は「ギンネム」と言う木で、実はこの木は「世界の侵略的外来種100」にも選ばれている非常に厄介な外来種です、成長が早く在来種を駆逐してしまいます、特に私たちが住んで沖縄の南部地域にはこのギンネムがかなり広がっています。

モノづくりを楽しむだけではなく、外来種問題も知ってほしくてあえてギンネムの木でボールペンを作ってもらいました。

5. まとめ

今回の講座は木育をすすめる3つのステップ「触れる」「創る」「知る」を体験してもらう内容で、参加者からも「知識とアクティビティのバランスがよかった」とか「他人に伝えたくなる内容だった」とか「木が好きになった」また、紙芝居プレゼンテーションもとてもわかりやすかったなど好評でした、そして、最後のアンケートは今回ちくってもらったボールペンで書いてもらいました。

今回は天気もよくて楽しく木育講座を開催することが出来ました、参加されたみなさん本当にありがとうございました。

今回の木育講座は「伝える木工職人」のはじめの一歩で、講座の課題や修正店が具体的になったのは良かったです。それと、伝える人を増やしていくことも大事だと感じました。

今後もさらに内容も伝えるスキルもブラッシュアップして続けて行きたいと思います。

沖縄の脳卒中木工職人のメルマガ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です